茅ヶ崎で暮らして思うこと

海だけではない、素の「茅ヶ崎』を伝えたい。

壁の色

そういえば
昨年病気になって
入院したときのことと
高校生のころを思い出した


今から30年ほど前 高校1年生のころ
当時わたしは毛筆とペンの書道を習っていた
そのときに教わった先生のおひとりが入院


先生の症状は「腰が痛い」ときいていた
高校生ながら なんとなく
周りの大人に病名を聞くのをはばかった


たしか7月か8月の夏休みだったと思う
日差しがつよく 晴れた暑い日
先生のお見舞いに病院を訪れた


建物のなかの壁は
記憶のなかでは真っ白
つめたい感じで
なんとなくこわかった


病室にはいり
ベッドに横たわる先生は
おやせになっていて


「来てくれて ありがとう…」と
かぼそい声でおっしゃってくださった


つらそうなんだと感じる


そのときわたしは先生に
なんと声をかけたか
覚えていない


そのあと少したって
お亡くなりになり
お通夜に参列した


それから30年ほどして
かつてお世話になった先生が入院された
同じ病院にまさかわたしが
入院するなんて思いもしなかった


しかし その病院は
何年か前にあたらしく
建て替わったらしく
場所も変わっていた


病棟の壁は あのときの真っ白でなく
オフホワイトだったかな
ぬくもりのある色に変わっていた


そのおかげか 入院中
あのときのこわさは
やわらいでいた



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ありがとうございます


noco